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仏領ポリネシア


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4:ランギロア

ランギロアを訪れるダイバーやバジェット・トラベラーは多く、ペンションと呼ばれる安めの宿がたくさんあるので、探すのには困りません。私が泊まったシェ・グロリーヌは1泊2食付き(朝食と夕食)で5,500CFP=約6,600円。バンガローは古いけど清潔でかわいいインテリアで、蚊帳も備え付けられていて、蚊取り線香なども無料で部屋に用意してあります。そして、特筆すべきは、食事が値段からは信じられないほど良かったこと!

夕食は前菜→メイン→デザートのコースで、メインは毎晩魚が中心ですが、調理法はバラエティに富んでいて飽きさせません。ニューカレドニアの離島で苦しんだ(?)ように、来る日も来る日もただの焼き魚と芋・・・ではないのです。魚がだめな人のために、肉料理も合わせて少し添えられたり、パンとお米を両方出してくれたりと、とにかく気が使われていて毎日充実のお食事タイムでした。多すぎるかもと思い昼食をセットにしなかったので、必要な時には300CFP=約360円でバゲット・サンドイッチを作ってもらいましたが、これも「今日は卵にしたよ」「今日は生ハムとチーズよ」と毎回工夫してくれて、今まで食べたどこのバゲット・サンドよりもおいしかった!

家族中心のスタッフもみんな親切で、娘さんは流暢な英語を話します。スタッフの若い女性の1人は、以前は隣のバンガローで働いていたそうですが、「ここは親切で働きやすい」と、従業員にも居心地が良いようでした。

マイナス・ポイントとしては、宿の前のビーチが狭く珊瑚や石がゴツゴツとしていること。水はきれいで魚も多く、スノーケリングは楽しめます。それから、村のはずれにあるのでお店が遠いこと。そして、バンガローに鍵がないこと。ニューカレドニアの離島などでも鍵がないところはありましたが、少なくとも内鍵はありました。しかし、ここは内鍵もなし。たとえ安全だとしても、特に女性にとっては着替えや寝る時など落ち着かないものです。

宿泊客はフランス人がほとんどで、私が行った時には30〜50代の1人旅の女性が多く泊まっていました。ここで4人のフランス人・スイス人の女性と親しくなり、毎日5人でわいわいと過ごしました。フランス人の女性とこんなに親しくなったのは初めてで、時に「私のこと愛してるのか〜?」と思うほどコテコテにベタベタに親切、時にちょっとシニカルで不機嫌そうに、とくるくる変わる彼女達の態度には、正直なところ初めはとても戸惑いました。エリック・ロメールの映画を思い出してしまったり・・・。言葉の問題もあって議論になってしまったこともありましたが、いろいろと本音で話しているうちに、こちらがより強く出るとバランスがとれることがわかり、その後は一層親しくなれて、うまく付き合うことができるようになりました。でも・・・フランス人って難しいな〜、そして面白いな〜と実感。ほんの短い間でさえ、他の欧米人とは一括りにできない強い国民性を感じてしまいました。○○人は・・・と一般化するのは危険ですが、確かに国民的な傾向はあるものですね・・・。

近くにキア・オラ・ビラージュという高めのリゾートがあり、時々そこのバーに飲みに行っていました。バーは水上テラスになっているカジュアルな場所ですが、なんとドレスコードがあるのです。パペーテから来たタヒチアンのリチャードとフランス人エマニュエルと3人でバーに繰り出した夜のこと。エマニュエルと私はTシャツ・短パン・ビーサン、リチャードはタンクトップ(ランニングシャツのような形)・短パン・スニーカーでしたが、テラスに陣取るとすぐにウエイトレスが来て、「Tシャツ・パレオはOKだけど、タンクトップはダメ」と言うのです。リチャードが引っかかってしまったということ。一体どういう線引きなのでしょう・・・?皆さん裸足やビーサン姿のカジュアルな雰囲気だというのに。彼がタヒチ語でウエイトレスに何かを言うと彼女は去って行き、私たちはしばらくそのままで飲んでいましたが、30分ほどするとまた戻って来て、テラスの隅っこの席に移動させられました。あとでふと思ったこと・・・タンクトップを脱いだら・・・上半身裸だったらどうだったのでしょうかね?OKだったのかも?

ちなみに、キア・オラ・ビラージュの前にはきれいな白砂のビーチがありますが、元々ここには砂のビーチはなく、他から砂を運んで来て造った人工のビーチだそうです。

タヒチは日本並みの物価の高さなので、島民もリッチな暮らしをしているイメージを受けがちですが、本国からの在住フランス人と一部のラッキーな現地の人を除いては、一般的なタヒチアンの暮らしは楽ではないようです。事実確認はしていませんが、リチャードとエマニュエルの話によると、タヒチでは所得税というものがなく、その代わり物品(そのほとんどを輸入に頼っている)に100%の税金がかけられていて、そのせいで物価が高くなっているとのこと。収入が多い人たちには良いでしょうが、現金収入が少ない一般の人たちにとってはかなり苦しいシステムに思えます。

ビーチでコーラを飲んだりサンドイッチを食べていると、すかさず近所の子供達が近づいて来て、「マダム、少しちょうだい」とおねだりします。彼らはストリート・チルドレンではなく、近所に住んでいる一般家庭の子供達です。食べかけの物をほしがることからしても、彼らの苦しい生活ぶりがうかがえる気がしました。

滞在中、タヒチアンや在住が長いフランス人たちから何度となく言われたこと・・・「ここは、アーティフィシャル・パラダイス(人工の楽園)なんだよ」・・・誰もが抱く憧れのタヒチへのイメージを否定するようなシニカルなその表現には、現実の彼らの生活を垣間見たこともあって、うーん・・・と考えさせられてしまいました。もちろん、どこであろうと、程度の差こそあれ、ほとんどのリゾートはある意味では人工なのでしょうが・・・タヒチでは、いろいろな意味で、その言葉が重く、印象的でした。
(記述はすべて1997年12月時点でのものです)

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